桒原駿の備忘録

囲碁棋士桒原駿のブログです。

今日の手合 5局目

記念すべき10記事目は負けた対局です(笑)負けた碁で敗因がはっきりしてるものはざっくり解説していこうと思います。

相手は奥田あや四段。私の黒番です。

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穏やかな立ち上がりから12と入って競り合いが始まりました。

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我ながら13がまずまずの好手で21まで分断できれば黒ペース。

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ここで黒の1が大悪手。ツケられたらハネるもんだと思っていた手拍子で1と打った以上顔を立てるために左から追いかけるしかありませんでしたが攻めるはずの立場から逆に攻められる展開に。本当にひどいです。

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1ではこのように中央から追ってるほうが良く、この後平凡にAやBの大場に回っていてもCの断点も気になるし左辺の白も生きてないので黒悪くないです。

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実戦。左辺は少しまとまりましたが攻められ放しであまりよくないです。

ちなみにこの図の5、9、12、19は

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この1からA、Bの味をみた攻防です。

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1から難解な分かれですがおそらく4が悪手でした。

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4では伸びて右辺を地にしに行ったほうが白地も少なかったので良かったです。

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相手の失着があり右上がコウ残りで勝負は左下に。

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1に対して白2がめちゃくちゃ良い手で全然想定していませんでした。黒からあまり厳しい応手がなく10までとなり、右上のコウ次第でまだまだ分からない形勢だと思います。

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ここで時間を使い1としかけました。相当難解な攻防ですが1つ読み違いがあり致命傷になりました。

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まず私の読み筋から。全部いっぱいいっぱいにダメを詰めていき最後まで単純に攻め合うと一手負けで黒が取られてしまいます。なので

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16でツケと工夫し、こうなれば黒は攻め合いに勝つことができます。しかし

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22が利かなかったのです。25から生きられることを全く考えていなくて切れば取れるもんだと思っていました。ダメですね。

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1に打たれた時にようやく気付き方針転換しましたが明らかに大損。精一杯のヨセから右上のコウを仕掛けましたが白にたくさんコウ材があるのであまり得できず3目半負け。

失着ばかりで負けて当然の内容でした。切り替えて次がんばります。