桒原駿の備忘録

囲碁棋士桒原駿のブログです。

今日の手合 22局目

また今日打った碁について書いていこうと思います。相手は井口豊秀八段。井口先生とはプロになるまで会ったことがなかったので、今Cリーグで活躍してるアマチュアの栗田佳樹君の師匠というイメージが強いです。

私の白番です。

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このような立ち上がり。最近よく見かけるようなやつです。

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この形は2が手筋。9が意外でした。争点の10を打てたのでこの分かれは白が良さそうです。

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1のコスミツケは黒が受ければ凝り形にさせることができます。2の打ち込みも結構厳しいので1で下辺を守る手もあったかもしれません。

8の三々に対してどちらを抑えるか悩ましい所です。

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先に1を利かして左側を抑え7とツメたのは大分工夫をこらした流れで対局中はやってやった感があったのですが後で検討してみたらそうでもなかったそうです(笑)

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ここでは平凡に二段バネで2目を取っているのが良かったようです。

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(3は4の右)

この一連は一応場合の手なのですが外の一目を抜かせても良い、かつ白を安定させたい時によく打たれる手法です。

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お互いの石がそれぞれ安定しました。白が優勢だと思います。

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下辺の黒に寄り付きつつ左辺に地をつけて右辺の厚みも消せたので理想的な展開です。

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1が悪手で2の反撃が厳しかったです。4と突き抜かれては相当ひどい。

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1と抑えると2からデギられてさらにひどい目にあってしまいます。

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1も下辺を守るべきで4から一目を取られてはすでに形勢を損なっています。

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(3はコウ取り)

コウの攻防で得して少し盛り返しました。

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3はブツカリの方が良さそうでした。ここが最後のチャンスだったかもしれません。

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(5は37、11、14、17、22はコウ取り)

ここからは差が縮まらず最後は黒1目半勝ち。途中まではまずまずの内容だったのですが集中が切れたようなミスが続いて情けない碁になってしまいました。残念ですが季節の変わり目や梅雨の低気圧が強い時はままあることなので反省だけしてあまり気にしすぎずに切り替えて行こうと思います。ではまた次回。